はあ、はあ、まずい…これじゃあ、遅刻だ。

ガラガラ…

部員全員の視線がこちらに集まる。

「あ、東田氏!!いらっしゃい!」

そう言って迎え入れてくれたのは、いおりだった。

「あ、ども」

私はそう言って、ふと、前を見た。
顧問の井尻先生がいない。

「あれ?先生は?」

いおりに聞いた。すると、

「あはは!先生はただ今、いらっしゃいませーーーん!」

とテンションが高い声が聞こえた。
徳丸だいやだ。彼ははっきり言って、頭が悪い。だが、理数は出来るやつで、ここサイエンス部に入ったのもそれが理由らしい。

「あ、そーなんだ!」

そう答えて私は席についた。