7月…

夏真っ盛り!

『夏休み…慎吾は実家に帰るの?』

ひとみはネットで温泉旅館を探しながら俺に聞いた。

「いや、すぐに帰れるから行かない。ひとみは?」

ひとみはパソコンの画面を見つめたまま、

『うちも帰ろうと思えば日帰りできる所にあるから未定だな…あ、これなんてどう?』


今、夏休みの計画中、

ふたりの休みがだいたい同じくらいに取れたので、近場の温泉に行って、日頃の疲れを癒そうと、宿探しをしているところ。

「どれどれ?」

画面を覗き込むと、

『豪華懐石料理に部屋風呂付き…しかも源泉かけ流し、どれがいいかな?』

ひとみはいくつか候補を上げていた。

「いいよ、ひとみが行きたい所で…俺は一緒にいられるなら何処でもいいから」

そう言うと、パソコンの前に座るひとみを後ろから抱き締め、首筋に唇を押し当てた。

『あぁっ…ダメ…まだ決まってないでしょ?』

ひとみはくすぐったそうに体を捻った。