目覚めると、ベッドの傍らに凛音が俯せて眠っていた。

俺はやたらと怠い体を起こし、辺りを見回す。

見慣れた調度品、カーテン、壁紙を確認し「はあ?」と、思わず零した。

カーテン越に差し込む光に、目を細める。

穏やかだなと思うと同時に、腑に落ちない点が多々あった。

「凛音、起きろ」

凛音の体を激しく揺さぶる。

「ん……」と呟きながら目を擦り、凛音は体を起こすなり「うわあっ!!」と声を上げた。

「お、王子。大丈夫ですか? 丸2日も目覚められなかったんですよーっ」

俺の額に手を当てたり、俺の手首を握り脈を確かめたり「どこも痛くないですか?」と、俺の身体をあちらこちら撫で回した。

「おい、謀叛は? 謀叛はどうなった!? 母上はご無事か?」

掛け布団を剥ぎ取り、凛音の両肩を掴み、矢継ぎ早に訊ねた。

「王子、覚えていらっしゃらないのですか?」