いつもと違うアラーム音が聞こえて来てあたしは目を覚ました。


見慣れない茶色い天井をボンヤリと見上げてゆっくりと瞬きをする。


ここはどこだっけ？


そう考えて状況を把握しようとする前に和美の声が聞こえて来た。


「みんなおはよー！　朝だよー！」


寝起きとは思えないくらい元気なその声にハッとして上半身を起こした。


そうだった、ここは旅館だ。


周囲を見回してみると、同じ部屋に泊まった２年Ｂ組のクラスメートたちの姿がある。


仲のいい女子５人組だ。


「玲子、起きて」


あたしは隣で寝息を立てている玲子の肩を揺さぶった。


玲子の短い髪の毛が揺れる。


「んん～……もう朝～？」


寝ぼけ眼な声を出して玲子が目を開けた。


「おはよう」


「おはよう千里」


あたしと視線がぶつかるとふにゃりと力のない笑顔を浮かべる玲子。


途端に肌寒さを感じてあたしは布団を肩にかけた。


えっと、今日は何月何日だっけ？


そう思い、スマホを確認する。