「なぁ、ロイ」

「ん?」

「父さんの所に行ってみないか?」

「え?でもぼくたちだけじゃ遠くへ行けないよ。だってまだぼくたちは子供じゃないか。」

「じゃん!」

オリバーは、2人がけのソリと2匹のトナカイをぼくにどうだと言うふうに見せた。

「すっごーい!どうしたのこれ!」

「ふっふーん!凄いだろ!ご近所さんのサニーさんがこれを見せてくれたんだ。それですげえってこれ欲しいって言ったらこんなので良ければってくれたんだ!」

「でも、おかあさんはどうするの?」

「おかあさんにはちゃんと僕から説明するよ。だから、ロイは旅をする支度をしていてよ!」

「分かった!」

そうして、僕らはクリスマスでにぎわう町でおかあさんにたのまれたもの買い物をすませ家に帰った。

家に帰るとおかあさんはいなかった。
おかしいなと思った。
ガルルルル

「ロイっ、危ないっ!」

うわぁっ!

「こっちだ!」

僕はオリバーに手を引かれていっしょうけんめい走った。

「この、ソリに乗って!」

言われるがまま、僕はソリに急いでのった。

「よし!いくぞっ!」

トナカイはオリバーがムチで叩くと白くなった町を駆け抜けた。