その日の放課後。

相模を囲うように、敏とその友達の岡座唯也(オカザユイヤ)と、橋本俊秀(ハシモトトシヒデ)が立っている。

「お前さ、マジでムカつくんだよ」


と敏。

唯也と俊秀も同じように、


「勉強も運動もダメ、おまけに友達ゼロなくせに、なんで学校来るわけ?」

「お前に学校来る資格なんてねぇんだよ」


と、相模を罵る。


その様子を見て、私と希夏ちゃんと、私の親友の棚江茉美(タナエマミ)が愉快そうに笑う。

しかし、私と茉美はただ希夏ちゃんと調子を合わせているだけで、別に相模が罵られる光景か愉快だなんてちっとも思っていない。

合わせないと、希夏ちゃんと敏の機嫌を損ねてしまう。

それは唯也と俊秀も同じで、彼らはただ敏からいい評価がほしくて、相模を罵倒するのだ。

二人もきっと、相模のことなんかどうでもいいに違いない。