その後、私達は授業をサボって、例の館の前まで来ていた。


「ほら、入れよ」


敏に背中を思い切り押される。


「えっ、だって、みんなで中に入るんじゃ…?」


私がそう言うと、敏は舌打ちをした。


「バカか、お前。

館へ行くのは俺達全員だが……中に入るのはまずはお前一人からだ。

お前が、一番大きい責任があるんだからな」



と敏は言う。

ああ………そういうこと。

だよね、敏がみんなで館に行くって提案したとき、少しでも敏のこと優しいって思った私がバカだったよ………。


私はため息を吐いて、館に入る扉に手をかけた。