ケータイ小説 野いちご

イタダキマス

プロローグ

「いやだっ、来るなっ...!!
こっちに来るなっ!!!!」



俺は目の前の化け物に向かってそう叫ぶが、そんなのお構いなしに化け物は俺に近付いてくる。



「アナタ、美味しそう。

怖くて、泣いているの?怯えているの?


ねぇ、知ってるかしら。

恐怖と涙は、最高のスパイスなのよ。




あはははは......!」



ケタケタと笑う化け物。


頭の中でたくさんの映像が流される。

保育園のとき友達と喧嘩したこと、小学校の遠足、中学校の合唱コンクール...。

つい最近行ってきた高校の修学旅行。


そして、次にたくさんの人の顔が浮かんでくる。


父さん、母さん、妹、友達、先輩、後輩、先生......。



こういうの、なんていうんだっけ?


ああ、そう...走馬灯だ。



「イタダキマス」



化け物がそう言った瞬間、俺の意識は途絶えた。

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