コンコン…


私は、誰かが扉を叩く音で、目を覚ました。


「おはようございます、心音お嬢様。起きていますか?」


そう言ってきたのは、私の専属執事の響也だ。


「おはよう、響也。起きているわ」


さっき起きたけどね……


「左様でございますか。朝食の用意は出来ております。用意が、終わりましたら来て下さい」


「分かったわ」


私が、そう返事をすると、響也は行ってしまった。


私は、見た夢の事を思い出していた。


いつもと同じ夢だった。


1組の男女が、手を繋ぎ、少し悲しそうな顔をしている。


そんな夢。


その男女の顔は、どこかで見た事ある顔だ。


そう、どこかで……