キキィーと『森香』の前に車が止まりガチャリと店の人らしき男性が車のドアを開けた。

「帰りは、自分で何とかするから。」
と潤哉に声ををかけた。

「承知しました。」バックミラーごしから返事をした。

バタンとドアが閉まりブロローンと車は行ってしまつた。

門をくぐると都会の雑音が消え、なんか空気が変わった気がした、目の前には竹林がありその間の敷石を店の人が歩き始め、俺はその後ろを歩きながら車の中の会話を思い返した。

「潤哉〜名前なんて言うんだ?」と窓の外を眺めながら聞いた。

「確か、花乃杜 真琴(ハナノモリ マコト)って言ったかなぁ〜」二人だけになるとタメ口になる。

「年は?」

「うーん、わからん。」

「職業は?」

「確か父親の会社の福社長しているはず。」

「なんだそれ。おまえらしくないな。」

「わり〜、けどなんかの雑誌で見た事がある、お前の好みかどうかわからないが可愛いらしかったような気がした。」