1999-6-8

「こら〜!!!環奈〜!!!!!
いつまで寝てるの〜!!!!!」

お母さんのLv3くらい怒ってる時の声だ。これ。
私はすぐさま慌ててお母さんの元に走っていった。

「もういつまで寝てんの!学校よ!!」

そう言ってお母さんはおたまを掲げてた。
あかん。あれはすぐさま私の頭に目がけて落ちてくる代物だ。

「ごめんって!!!ほら昨日夜更かしして、、あれ」

その時私はなんでこんなに体が疲れているのか、昨日自分は何してたのか覚えてないことに気づいた、
私は何してた、、?
そうやって頭抱えているとお母さんが慌てて口を開いた。

「ご、ごはんたべちゃいなさい!!!」

私はまあそれもそうかとご飯を食べることにした。

「いってきまーす!!!!」

私はそうお母さんに伝え家を出た。
さすがにまた遅刻しちゃったら前田先生にさすがに怒られるよ〜、あれ、別に最近遅刻してないのに、なんで私こんなこと思ってるんだ、、?


「やっぱり、また、またなのね、、
ごめん、ごめんね環奈、、、」
そう言って環奈のお母さんは泣き崩れた。


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「おっはよう〜!!!」
私は大きな声で挨拶した。

「よっ!今日も寝癖ついてるぜ笑」

そう言って"弥生"は私の髪の毛を直してくれた。
もう、背が高いからって辞めてよね〜
また勘違いされちゃうじゃん〜もう〜ばか
そう考えていたらやっぱりからかわれた。

「ま〜たおまえらはいちゃついて、
"男女"が距離近いからって注意されるのは俺なんだからな〜」

そう言って教室に入ってきた
前田先生は頭を抱えた。

「わ、私達はそんなんじゃないです〜!!!
小学生からの幼馴染ですってば!!!」

私は慌てて前田先生にいつもの様に訂正した。
もう、すぐ男女になると色恋沙汰にするよねー。
女同士だったら何も言わないくせに。ん?

「もういいから席座れ〜出席とるぞ〜!!」

そういって前田先生はみんなを席に座らせた。

「俺は別に勘違いされていいけどな」

そう言って弥生は私の耳に顔を近づけて
ボソッと言った。

ガタッ

「やめて!!!!!!!!!!」

私は弥生の体を突き飛ばしていた。動悸が止まらない。別に弥生が嫌いな訳じゃないのに。耳元で喋られるのがなんか嫌な気がする。

「ご、ごめんって、そんな嫌がんなよな〜
俺傷つくんだけど〜」

そういって弥生は私に手を伸ばした。あからさまに膨れて、戸惑っている私を含めクラスメイトを和ませてくれる。いつもこうだ。オタクで浮いていた私に気を使って、、ってあれ、これもつい最近考えた、、、。


おかしい、なにかがおかしい、、!
私は自分がなにか大切なこと忘れていると、パニックになっていると後ろからぐいっと引っ張られた。

「咲真くん、、、?」

後ろを振り向いた、そこに立っているのは全く喋らないけど、なんでかずっと腐れ縁で一緒にいる咲真くんだった。

「お前ちょっとこい!」

そうやって引っ張られた。その時周りクラスメイトの雰囲気が変わった。
なに、?こんなに冷たい目をしてたったけ。


「おい。お前何してんの。
"ただ"のクラスメイトだろ?」

弥生が今まで見た事のないような顔で咲真くんを睨んでいる。

「このままじゃ、こいつはいつまでたっても変われない!!お前はただいつもの様に弥生としての運命を待つのか!!!!」

何を言っているのか私にはさっぱり分からない。

弥生は涙目になった。
そしてどんどん目が赤く充血して行った。

「お、おれは、、弥生として生きることしか許されないんだ!!!!!!!!!」



カチャ

弥生はそう大声で叫びながら両手で銃を構えた。

「おい、手を離せ。
今なら父さんに俺が一緒に謝ってやるから。
ちょっと怒られちゃうかもなあ。
でも父さんの事だ。許してくれるよ、
なんてったって俺は"弥生"なんだから。」

そう言って弥生は銃を構える手に力をこめた。
もう既に大粒の涙が落ちそうだ。

「お前は全然弥生に向いてないよ。」

そう言って少し泣きそうな咲真くんは弥生に向かって銃を向けて打った。

バンッッッ!

「やめて!!!!!!!」

やっと口を開いた私の声は届かなかった。


だけど、驚いたのはそれだけじゃない。

「再起動シマス、、再起動シマス、、、。ヤヨイ、
ヤヨイ、、ナンバー12、、」

弥生、いや弥生らしきロボットが目を光らせて
何か言っている。

な、、に?これ、、

その瞬間

「緊急事態発生!緊急事態発生!アンドロイドNo.07に異常ヲ確認!タダチニカクホセヨ!!!」

すごいアラーム音とともにアナウンスが学校中、
いや、町中に鳴り響く。

「くそっ。
あいつここまで厳重にシステムくんでたのかよ。
さっさといくぞ!!!!」

そう咲真くんはつぶやいて、私を引っ張った。
すごい力だった。だけど、
私はこの人に話を聞かなきゃ聞けない。
真実を聞かなくては。
そう強く感じた。

「うん!!!!!!」

私が返事した瞬間、咲真くんは私を背に担いで走り出した。ああ、そう言えばこんなシーン、あの乙女ゲームでもあったなぁ。なんて思いながらしがみついた。