私は橋本未結。
らしい。
今日は、10月。
らしい。
先生が記憶のことと、これからの生活のことについて、話してる。
どうやら、私には家族がいないようで、
幼馴染の神楽くんのご家族にお世話になってたみたいだ。
「橋本さん、今日から病院で様子みるからね?少しずつでいいから慣れていこうね。」
「はい…。」
この病院の先生の名前は、
矢野 颯 Yano Riku
顔もスタイルも良くてしっかりした先生で
地元では有名だそう。
幼馴染の神楽くんとも、交流があったらしい。
「おい、優。橋本さんを手伝ってやるんだぞ?」
「分かってるよ。言われなくても。」
どうやって私、これから生きていけばいいのかな。
ふと、神楽くんをみる。
ん〜思い出せない。やっぱり、思い出せない。てか、神楽くんて学校あるよね。
なんでこんな昼間から病院で私の面倒みてるのかな。私より年上ってことなのかな?
ん〜「…ゆ!……未結!大丈夫?
めっちゃぼーっとしてたよ?てか、何、何か思い出したの?」
はっ!
駄目だ、私ずっと、神楽くん、見てしまってた。
「いや、思い出せないです。」