流夜は二年の教師生活を終え、城葉犯罪研究所に入った。


前年の年の初めには桜宮学園に移ることで蒼(あおい)とも話していたため、それを蹴ったと知られたときには十三から並々ならない非難を受けた。


基本的にみんな、統括たる蒼が大すきなのだ。


十三人で犯研に押しかけて来た。まじかよ。
 

蒼は――またもや苦労性を発揮してしまっている蒼は一番後ろで頭を抱えていた。


こんな暴動、蒼が率先して先導するわけなんてない。


ブラコンの紫(ゆかり)と翠(みどり)は激怒りだった。


アメリカにいる調(しらべ)も帰国してきて、一年中世界放浪の雪(すすき)までやってきたのだからその怒りは形容しようがない。


なまじ世界的に有名にまでなってしまったモデルの紫や流(ながれ)もいたものだから、雅(みやび)の仲裁で十三人が帰ったあと、流夜は所員に関係を質問責めにされた。


激しく面倒だった。
 

これをきっかけに流夜は、『十三桜を動かせる貴重な人材』という傍迷惑な認識までされてしまった。


あんな奴らを動かせるわけないだろうが。
 

十三を動かせるのは十三だけだ。



犯研に入って、流夜は一所には落ち着かない生活になった。


日本中どこへでも行った。世界へも動いた。


要請があれば日本の裏側の事件だって関わった。
 


真っ新になるまで解き挙げる。