お母さんと別れたあたしはその足で理央の家の近くまで来ていた。


住所を聞くとあたしの家の近所だったので、通りかかってみたのだ。


大通りから細い路地へと抜けたら、丘の上に建つ住宅街が見えて来る。


理央の家はきっとのこのあたりだ。


あたしの家は丘の下にあるから、本当に近い距離だ。


そう思って歩いていると、突然後ろから声をかけられた。


驚いて振り返ると、そこにはあたしと同じように驚いた顔を浮かべる理央がいた。


「理央!?」


「芽衣、こんな所にいるなんてびっくりした」


理央はそう言い、笑顔を浮かべる。


「それはこっちのセリフだよ」


「芽衣はここで何してるの?」


「あたしの家、この辺なの。理央の家も近くでしょう?」


「そうだよ。家、近かったんだね」


「うん」


そこまで言い、なんとなく無言になってしまうあたしたち。


あたしの家の周りにはまだ報道陣たちがいて、帰る気にはなれなかった。