それから数日後。

課長は、本当にクリスマスに
プロポーズをしてくれた。

早くから予約していたらしく
高級なホテルのレストランでディナー。

景色も夜景とイルミネーションが鮮やかに見えて
ロマンティックだった。

そこで渡されたプレゼントは、
あの手編みのマフラーと小さな箱だった。

ちなみに告白の時は、
赤いバラの花束を考えていたらしい。

出来上がった赤いマフラーは、
市販のモノかと思うぐらいに綺麗だった。

後で春乃に異性のプレゼントにマフラーなど
編み物系は、重いと言われ引かれる可能性No.1だと
聞いて教えたら落ち込んでいた。

私は、嬉しかったけど……。

小さな箱は、婚約指輪だった。
綺麗なダイヤの指輪。

それを渡されながら課長に

「茜を愛している。俺と結婚してほしい」

正式にプロポーズしてくれた。

もちろん。私は、承諾する。

そして課長の彼女から一気に婚約者として
ステップアップした。

クリスマスから大晦日。

そして新年が明けると私は、課長の実家に
呼ばれることになった。

婚約者として挨拶をしたいらしい。
我が家は、すでに挨拶を済ましてある。

相手が上司だと知って両親は、腰を抜かしていたが
喜んで承諾してくれた。

むしろ「馬鹿娘を鍛え直して下さい」とか
土下座までしていた。

まるで修行に行かされるような言い方だ。

おい……どういう意味だよ!?