SIDE 芙祐


***


   

「ひどくない?普通、キスした唇ぬぐったりする?」


あたしは声を荒げて言ったよ。


「えー……、それは弥生がダメだね」


藍ちゃんも、眉をしかめてくれた。


お昼休みは、ガールズトーク。
今日は3人。


「ていうか変じゃなーい?」


隣のクラスのリコが言う。


リコは、1年の時同じクラスだった友達。


ピンクとかふわふわしたのとか、可愛いのが好きな超女子で、恋愛しかしてない。受験勉強してない。
ついでに語尾伸ばす系女子。




「何が変?」


「その流れでなんで手出されないのー?よくわかんないなぁ」


リコはたこさんウインナーをぱくりと食べる。


「……本当だ」


あたし今フォーク、落としそうになったからね。


なんで?

たしかになんで?



慶太くんと付き合ってたときは
ああいうときは押し倒されたような気がする。



ヤヨからは……キス拒まれたくらいなんだけど。



……あ。もしかして。



「……ヤヨ、巨乳好きなのかな」


付き合う前、あれだけあたしのこと貧乳貧乳言ってたもん。


あたしだって努力してるよ。キャベツ食べたり、運動したり。


でもカサが増えないんだもん!



「元カノはどうなの?」


「見てないよそんなところ」


今度会ったら聞いてみよう。せくはらかな。



結構会うんだよね。ヤヨの元カノの麻里奈ちゃん。


駅で会えば挨拶する程度、顔見知りだし。