二人きりの空き教室。
緊張感だけが漂ってる。

何から話せばいいのかわかんない。
全然頭がはたらいてなくて
その代わりに心臓が痛いほど動く。


「……もうすぐセンターだけど、大丈夫?」


芙祐がぼそっとそう言った。


「あぁ……うん。まぁ」

大丈夫なわけない。

「さすがヤヨ。あたし、多分今のままじゃ落ちる」

「……いや、俺も」

仲直りの流れなのか?

ならもう、
謝るだけ謝る。


桜木慶太との関係を聞くのは
今のタイミングじゃない。