次の金曜日。


伊波くんのお家にお泊まりする日。


ご飯を食べ終わってのんびりしながら、ソファーに座ってテレビをつけた。


「何か面白いのやってるかなあ」

「どうでしょうねえ。……あ、」

「ん? ……あ」


一拍遅れて気づく。


何とはなしに見ていた番組は、例の、私が好きで伊波くんが勘違いしちゃう原因になった俳優さんが出演している、甘くて華やかな恋愛ドラマだった。


面白いと評判で、一話ごとに見ても大丈夫と聞いている。


「これよさそうだね。これにしよっか」

「はい」


アパレルメーカーが舞台のオフィスラブで、服はもちろん、小物からインテリアまで華やかで美しい。


彼は最近、よくいろいろな番組に出演している。


小さくまとまって美しく整った端正な顔立ちは、健康的で明るい表情で、どことなく愛嬌がある。


楽しそうに話を聞いて、丁寧に相槌を打ち、ときたま冗談を言って盛り上げる軽妙なトークで、バラエティー番組の出演も多い。


そういえば、ラジオもやっていたような気がするから、その賜物だろうか。


彼本来の落ち着いた話し方は、役によってがらりと変わる。


バランスの取れた長身と高い演技力も相まって、彼の人気に拍車をかけているのだった。