ケータイ小説 野いちご

イジワルな彼と夢みたいな恋を?

カウントダウンは終点?始点?

四月に入り、新年度がスタートした。

新社長からの訓辞もあり、全社員向けのビデオレターではあったけど、私達はそれを見つめて、あの人事異動の紙が本当だったんだ…と実感した。



「……大田さん」


ぼぅっとした顔つきの舛本君は、春先から鼻炎が悪化して辛そうだ。
熱っぽい顔元をしながら、それでも去年よりかは頑張ってる。


「何?」


その顔を見返しながら聞いた。


「あのビデオレターの人って、一ノ瀬さんれすよね?」

「うん…、どう見ても本人にしか見えないよ」


「だったらここの専属ハウスデザイナーの件はどうなるんっすか?」

「あのモデルハウスはどうなるのぉ〜?」


「…あのね…それを私に聞くの?」


私だって何も知らないままよ。
三月は決算報告も重なってて、毎日忙しい日々を送ってたんだから。


「らって大田さんは同級生なんれしょ?クシュン!」

「連絡先だって知ってるんじゃないっすか?」

「電話してあれこれ問い詰めればいいんじゃないのぉ?きっと答えてくれますってぇ〜〜」


……じゃあ、あんた達がかけなよ。


思いきり冷めた眼差しで三人を眺めた。
ゆとりっ子トリオは以前よりもかなりマシだが甘い。


「あのね、相手は同級生でも社長なのよ?それに許嫁もいるって言ったでしょ?」


名前も顔も知らない女性だけどね。


「許嫁が居ても関係ないれすよ」



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