朝の通学路の並木道を一人で歩く。



季節は夏、五月蝿く鳴く蝉に、照りつける太陽。



並木道は学校へ続く一本道だから、歩いてる人はほとんどが私が通っている学校の生徒。



みんな同じ制服を着ている中、私、中寄静香はある人の横顔を探す。






…いた。





サッカー部でこんがり焼けた肌に、色素の薄い髪色の佐田雅也先輩。明るくて、誰にでも優しい先輩に私は絶賛片想い中。



でも今日もその横顔の見つめる先を見れば、



キラキラした笑顔を振りまいてお友達と楽しそうにお話をして歩いている、小屋橋ひな先輩の姿。




でもそんな小屋橋ひな先輩にも、好きな人がいるらしい。







つまり佐田先輩も片想い。


今日もひな先輩を見つめる佐田先輩の横顔は少し苦しそう。