高1の春。楽しいはずの高校生活は最初から暗かった。


「マジでありえねー!」


「昨日のテレビ見たぁ?ヤバいよねー!」


消えたい…


うざい…


「よっ!おはよっ!」

「…。」

また来たよこいつ。

こいつは隣の席の“一ノ瀬嵐”。

席替えしてから、私によく絡んでくる。

そんな私は“榊美優”。

「榊さんシカトしないでよぉ。」

「…。」

「そんなに俺と話すのが嫌やなら、メールしよ!」

「はっ?」

「あっ!初めて返事してくれた!」

唖然とする私を尻目に、嬉しそうに紙を渡してきた。

「これ、俺のアド。後で送ってね!本当は、俺が送りたいけど、榊さん教えてくれないでしょ。」

ニコニコと言ってくるが意味が分からない。

ガタッと席を立ち、廊下の方へ出ていった。

「榊さん!メールくらい、いいじゃん!!」


――うざいヤツ…