悪魔との戦争。それはどこからか、一日戦争と呼ばれていた。一日戦争以来、私にもいろいろな変化があった。まず、



「いつ言う気なのかな?フィル様?」



リクさん曰く、学園入学時と比べて精霊量が半分以下になっていること。



「私は、王女として、特攻隊の一員として、まだ言う気はありません。」



「はぁ。この際だからはっきり言いますが、本来、精霊量測定器であなたの精霊量は量れるものではないのです。ですが、数値がこうして出ている今、危機感を感じてください。」



そうは言われても、今のところ支障はきたしていない。なんとかなる気はする。
そして、もう一つの変化が、



『じゃから、己は何度もゆうとるて。主は今後……』



水神様が、常に私と接触できるようになったこと。これは、鍵になる悪魔二人がいなくなったことで、封印も解けたんだとか。ただ、私と話せるだけで他人には聞こえないらしい。



「とにかく、私の地位で言うのもおこがましいですが、あなたは王女や特攻隊を考える前に自分自身として、何をすべきかを判断してください。
ファレリア様も、立場なんて気にせず自分の意思を貫いたから、今回の一日戦争になったのですよ。
それくらいの心意気でも、私はいいと思っています。正直、戦争はしてほしくないですけどね。」



「私、自身…。」



そう考える度に思うことがある。水神祭を、行うか否か。あらかたの説明は、個人的に水神様にしてもらった。だからこそ自分はどうするべきなのかと、時々考えてしまう。



「精霊学的に、正直に申し上げます。異能力者としての寿命は、最低1年。もって2年と考えてください。その先は、半年持てば奇跡です。」



その言葉は、私の中にストンと落ちてくるようだった。



「さて。ファレリア様からお使いがあったのでは?時間は大丈夫ですか?」



「しまった!!」



本当の用事はここではない。慌てて、部屋から退散した。



「また来ますね!!」



そして、お使いの本題の場所へ。