「っていうのが、ここまでの経緯です。」



説明し終わると、お姉様の体の赤い模様が、みるみる消えていった。そして、お姉様から出ていたキラキラとした光も消えていた。

それと同時に、シラクスの体は、光となって消えた。


そして、お姉様が目を覚ました。



「ん…シュラは!?シラクスは!?」



ガバッと起き上がると、第一声はそれだった。


なぜ彼らのことを?と、考えた瞬間。この場に居合わせた全員が察した。



「まさか、生き返らせたというのか…悪魔が人間を……。」



タクトさんの言葉の通りだ。



「いや!どうして私を遺して逝ってしまうの!?一人で生きるくらいなら、死んだ方がマ!!」



パッシィーン!!!!!



「カイ…ラ……。」



頰に手をやって、揺れる瞳で言った。



「すまない。ファレリア。」



複雑な顔の皆。



「ねぇカイラ?二人は、本当に消えてしまったの?私を残して、逝ってしまったの?」



「……。」



「答えて!!」



肩を揺すりながら叫ぶ姿に、誰もが目を逸らした。お兄様を除いて。



「ああ。決着もついた。さっき、ファレリアが眼を覚ます前に光となって消えた。」



歯を食いしばりながらも、じりじりと出てくる涙。



「ねえ?もう一度でいい。声だけでも、姿だけでも…私に……。」