「こ…こは…。」



駆け寄るとすぐ、意識を取り戻した。



「ファレリア様!!」



「フィー……。」



けど、わずかに口が動き、光のない瞳で右手を伸ばすだけだった。



「お姉様!!」



仰向けになるお姉様に抱きつく私は、声を上げて泣いていた。



「フィー?あなたの中の水神様が、喋りたがっているのでしょう?大丈夫。」



一回一回、ゆっくりさすられる背中に、私の中は水神様と交代した。



「『こうして面と向かっては、初じゃのう。ちとおぬしに聞きたいことがあってな。』」



「私は敗れた身です。にお答えできることなら、どうぞ。」



水神様は、迷うことなく聞いた。



「『あやつ(シュラ)に、全属性使用なんて芸当できるわけなかろう。使っておった術式はなんだ?』」



「貴方ほどの方が、お気づきになられていないわけがないでしょう?どうしてそこから?」



うん。正直私だって、その考えに達することはできた。けど、



「『おぬしの口から直接聞きたい』」



と、言うことだ。