遺された森(レスト・フォレスト)
ー中心部ー



今は8時。リクさんの予測では、8時7分に到着するとのこと。



「タクトさん、ライアン先輩、準備はいいですか?」



隠れているわけでもなく、半月の泉(ハーフ・ムーン)と氷炎刀を手に持って立っていた。服は、ゲキに手伝ってもらって着た、水色を主体とした半制服半正装で、下はスカート。黒い靴下に白いブーツ。

タクトさんは相変わらず口元を隠したオレンジの服で、ライアン先輩は、白と黒のすこし洒落た服。

そう、特攻隊はあえて的になるために派手な服を選ぶ人が多い。



「ええ、ばっちこいってやつだね?」



「いつでも来てくれりゃいいぜ。悪魔ども。」



タクトさんは、神具の一つ、祭りの弓矢(フェス・アロー)を、ライアンさんは、神具の一つ、双生の銃(ジェミニ・ガン)をクルクル回して、二人とも早く来いと言わんばかりに言った。



「もう一度確認します。戦えないと思ったらすぐに本陣へ戻って治癒隊の治療を受けること。その時は、切り札 として居るシオン先輩に頼めば一瞬です。そしてすぐに戻ってくる。」



「第一条件として、怪我をしなければその必要もないけどね。」



弓の弦を再度補強しながら言った。



「ここ以上も以下も行かせない。悪魔は、我々の手で仕留めます。」



「ああ、任せとけ次期特攻隊長さんよぉ。」



二人とも、場数を踏んでいるのもあって余裕そうだった。