「あっ、もう少し上で。うん、もう少しキツくしてくれて構わないから。」



「フィーちゃん、本当にいいの?」



「私がいいって言ってるんだからいいに決まってるの。早くして、時間もないことだし。」



今は、ゲキと二人で私の部屋にいる。私はベッドに座って、ゲキは立膝だった。



「そ、それじゃあ。遠慮なく。」



「ひゃっ。」



氷属性が主属性なだけあって、首筋に当たるゲキの手は少しヒンヤリする。異能力者じゃなければ医師に見せなきゃいけないんだろうけどね。



「どう?痛くないフィーちゃん。」



「丁度いいよ。その辺でお願い。」



「はいはい、りょーかい。」



特攻隊の服って実戦用は初めて着たけど、流石に袖の蝶々結びとかは片手じゃできないし、術式でやってもいいけど人の手には到底及ばないし、そんなこんなで手っ取り早く隣の部屋のゲキに手伝ってもらっていた。