ケータイ小説 野いちご

君のまなざし

出会いは必然
飲み会


新店舗の責任者になり、それまで本社でプロアスリートの個人トレーナーをしていた時とは生活がガラッと変わった。

ショッピングモールの開店から閉店までの営業時間に合わせた勤務となるため、以前と違い規則正しい生活となるのかと思ったらそうでもない。

責任者として度々本社に顔を出し、会合に追われる。今までやらなかった事務作業も多い。

お陰で1年前から付き合っている7才年下のOLの彼女と会う時間はなかなか作れなかった。

土日休みの彼女に対してこちらの休みは交替制。
今の店がオープンして1ヶ月だが、会ったのは1回のみ。

先週の俺の休みに仕事帰りの彼女と夕食を共にした。
メールや電話でやりとりしてはいたが、この数ヶ月間はオープンに向けた準備で忙しくまともにデートをしていない。
彼女から不満げな電話が続いて、正直参っている。

無理矢理時間を作ってまで彼女に会いたいと思わないところが問題なんだろうと思う。
もともと積極的な彼女に押されて付き合うようになったからというのは言い訳でしかない。

たぶん、単純に彼女に対する俺の愛が足りない。

25才の茉優。
担当していたプロゴルファーの主催するパーティーで知り合った。
髪の毛をくるんと巻いてきれいにメイクをし、今どきのファッションに身を包み若くてキラキラしていた。

体育会系の俺は今まで茉優のようなOLと付き合うチャンスはなく、きれいな茉優に押されて流されてしまったことは否定できない。

しばらくすると、きれいな外見に反して何か足りないと思うようになっていた。
そして、それは茉優も俺に対して感じているんじゃないだろうか。

お互いの外見で付き合いはじめ、内面の人間性に魅力を感じていないと。




今夜はオープンから1ヶ月、運営が軌道に乗ったお祝いと他店補からの助っ人への慰労会。要するに職場の飲み会。


ショッピングモールからほど近い場所にある創作料理の店で男ばかり10人。店の奥の大テーブルでわいわいと盛り上がる。

他のテーブル席とは簡単な仕切りがあり、静かに楽しむ少人数の客は2階の半個室に通されるから、ここは多少騒がしくもいいらしい。


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