「着いたよ、ここがISUZU 事務所」
そこは確かにテレビでも見たことのある五十鈴事務所だった。
彼は受付の近くにある改札機のあるところでパスをタッチして私たちを紹介した。
「スカウトの子たち。社長と面接だから荷物検査して」
私たちは荷物を徹底的に出され、やっと入ることができた。
「社長室に行くから、最上階まで行くよ」
蓮は能天気でこの状況の重要さに気づいていない。
きっと珍しい体験だな、って楽しんでいる。
でも私にはこれからどうなるかおおよその見当はついていた。
『男として活動させられる』