「きゃっ...!」



ぐいっと腕を引っ張られて、後ろからふわっと抱きしめられた。



このぬくもりは...




「先輩、この子、僕のなんですけど?」




表の顔と優しい言葉で喋っているのに、相手を威圧するような低い声。




「蓮...夜くんっ...」




怖くて、抱きしめられた腕にしがみつくと、それに応えるように、蓮夜くんの腕に力が入った。




「えっ!?猫王子とスズラン姫って、付き合ってんの!?」



「てか、猫王子相手だったら、別に勝てるんじゃね?ケンカとかしなさそうだし」




先輩たちはぎゃはははと笑っている。