紀子と愛の関係はどんどん縮まって行き、すぐに3人でお弁当を食べるようになっていた。


あたしからすればようやく元に戻った、という感じだ。


「3人でお弁当って、賑やかでいいね」


紀子は嬉しそうに言う。


愛は照れくさそうに笑う。


「そうだね」


あたしはそう返事をして2人を交互に見つめた。


仲は良くなっているけれど、まだ少しぎこちない気がする。


元々のあたしたちはもっと遠慮なしに言いたいことを言えていた。


「やっぱり、あのアプリのせいなのかなぁ……」


あたしがそう呟いた声は、誰にも届かずに消えて行ったのだった。