その後他のクラスメートたちに話を聞いても、みんなが口をそろえて紀子と愛が仲良くしている所なんて見たことがないと言っていた。


ここまで来ると、冗談だとは思えない。


クラスメート全員が裏であたしを騙しているかもしれないなんて、考えられない。


それに、クラスメートたちをよく観察していても、普段と違う所は何もないのだ。


ただ、愛と紀子は仲良くない。


それだけがあたしとの認識の違いだった。


紀子と2人で昼ご飯を食べて、テーブルに突っ伏して目を閉じた。


なにがなんだかわからない。


もしかして、あたしの記憶の方が間違っているんだろうか?


写真にも紀子と愛が同時に写っているものは1つもなかった。


あたしの記憶がおかしいと考えた方が、いくらか腑に落ちる気がする。


「心、大丈夫?」


ずっと突っ伏しているあたしを心配したのか、紀子がそう声をかけて来た。


「うん……」


本当は全然大丈夫じゃなかったけれど、そう返事をするしかなかった。


これ以上余計な事を言えば、また怒らせてしまうかもしれない。