「桔梗の祟り、か。幼い頃にお母さんが私にお話ししてくれた悲しい恋のお話。」 読み終わった本を棚に戻し、仏壇に私は手を合わせた。 私のお父さんは、私が生まれた頃に事故で亡くなった。 お母さんはもうずっと前に癌で亡くなってしまった。 悲しいし、寂しいし、会いたいと思う時もあるけど、 この水無月神社には、お婆ちゃんもお爺ちゃんも住んでるし、 それに、 水の神様が見守ってくれているはずだから大丈夫なの。