「奏」

「俺が記憶を消したばかりにお前は俺との約束の記憶まで失ってしまった」


約束‥?

やっぱり私は幼い頃、奏に会ってたんだ。
だから抱き締められた時凄く懐かしくて突き放せなくて受け入れたい気持ちが大きかったんだ。


「私は、何かを忘れているの‥?」


とても不安だ。
あるはずの記憶が無いのは不安と恐怖だ。

私の頭にそっと手を置く奏の表情はとても柔らかく美しい笑顔だった。


(胸、締め付けられる‥‥)


奏が居れば何でも出来そうな気がする。
なんちゃって。