ケータイ小説 野いちご

この作品のキーワード

花京院社長と私のナイショな関係

2.裏業務はアレの掃除


社長は私の厚かましい提案に、あっさり頷いてくれた。
翌日には、正社員として雇用する分と浄化の特殊任務分の契約書を作ってくれて、確認して印鑑交わして契約成立。

ああ…やっと!正社員だよ!



私は大学を卒業して就職した会社が半年前に倒産し、正社員の仕事を探しながら派遣労働中だった。
この会社、EXEX(エグゼクス)は設立して10年も経っていない若い会社だけど、IT業界では飛ぶ鳥落とす勢いで成長している人気企業だ。
ここで働いて数か月だけど、社員は若い人が多くておしゃれ。社風も伸び伸びしてみんな楽しそうに働いてるし、変な人もいなくてとっても働きやすい。
競争倍率は高いけど、次の正社員募集にはチャレンジしようと思ってたのだ。

…まあ会社人としての採用ではなく黒い靄掃除担当ですが。いいんだ。うん。



配属先は、社長の近くにいる必要があるからと秘書課になった。
一般教養程度に取った秘書検定3級は持ってるけど、実務経験もないし秘書なんてできるわけがない。なので頼み込んで庶務雑務係に配属してもらった。
いきなり入った元派遣社員なんて迷惑がられそうと心配だったけど、4人しかいない秘書課は雑務は多いらしく意外にも秘書課の皆さんは喜んで迎えてくれた。よかった。


「まどかちゃん、分からないことがあったら遠慮なく聞いてね」



副社長と専務を担当しているという、秘書の長月雪乃さんは、まさに白百合って感じの清楚な美人でとっても優しい。
色白でストレートの黒髪に柔らかい物腰で花のようないい匂いがする。深層のご令嬢って感じだと思ったら、本当に大企業の社長の娘さんだそうだ。
お嬢様って学校卒業したらお花とかお茶とか花嫁修業してるのかな思ってたけど今時は普通に働くものらしい。

社長室は秘書課のお隣にあってガラス張りになっている壁と廊下を挟んだ向こう側にある。
社長は引き寄せ体質だと言った通り、毎日のように黒い負の靄をもらってきていた。
商談や会議の後とか会う人数に比例して、社長に引き寄せられる負の気も増える。

< 9/ 48 >