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花京院社長と私のナイショな関係

5.失恋と告白

社長からバッサリ振られて、分かりましたと頭を下げて、浄化の仕事はちゃんとやるけど、キスやそれ以上の事はもうできないことを告げた。

あの日、社長室を退室した後、1つ下の階のトイレに駆けこんで泣いた。


はっきり言われて分かった。

私、社長が好きだ。

もう手遅れだった。気持ちにブレーキなんてついてなかった。
気づいたら落ちてる、それが恋というものなのに。


声を殺してトイレで泣いた。
自分のバカさ加減に泣けた。

1時間ほど籠っていっぱい泣いたら少し落ち着いて。トイレを出たら知り合いの社員、星野くんにばったり会って。
良い人・星野くんは、泣きはらした顔の私を見ても余計なことは聞かず、飲みに行こうと誘ってきた。
「嫌なことは飲んで忘れて!」と美味しい焼き鳥と芋焼酎をおごってくれて、そこでまた泣けたけど、お腹いっぱいになってアルコールも回っていい気分になって、ちょっと元気になった。
男女2人で飲んで、そのまま勢いでホテルに行って…ということにはならず、その日は終電前にちゃんと帰った。

翌朝は泣いたのとお酒を飲んだのとで、顔も目もぱんぱんだったけど「昨日は飲みすぎましたー」って笑って仕事した。
運良く、その日からしばらく社長は出張。顔を見ないで済むのはすごくありがたかった。

社長と従業員。シンプルな関係に戻っただけだ。
社長が出張先で強い負の気を貰ってきても浄化で補充が必要にならないようにしないと。

私は失恋で痩せるどころかモリモリ食べて青汁やすっぽんサプリを飲んで体調を整えた。

気づいたと同時に終わった私の恋は、あっという間に日々に埋もれた。

1週間も顔を見なければ、けっこう平気になるもんだ。

失恋の傷は浅かったのか、もともと引きずらない質のせいか、私はけっこう元気だった。

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