入学式
 私はこれから変わるんだ。中学校までの私とは違うんだ、これからは勉強して友達と遊んだりするんだ。そうだ、バイトもできたらいいな。
 学校の門をくぐると新しい生活の一ページとかいうんだろうな。でも私が今日から通う私立海崎通信制高校は学校らしさがまったくない。場所は住宅の端っこにあるし、学校の存在自体も知らない人もいるぐらいなのだから。学校のことはいいとして、何で私が通信制を選んだかわかる?別に高校入試がだめだったんじゃない、学校の空間、ルールが嫌いだったの。海崎高校は自由だし、週一回登校だから基本的には自由なんだー。
まぁ、レポートとテストをしっかりやらないとね。
さてと、そろそろ教室に向おうかな。
私は学校の中をきょろきょろしながら下駄箱をさがす。「おはようございます」前から先生らしき人が来た。髪の毛は若干薄く・身長は少し高い、お世辞にもかっこいいとはいえない。「おはようございます」私は挨拶をした。「今日は10時からHRがあります。」「はい」なれないせいで少しぎこちない。
とりあえず、下駄箱を見つけて靴を履き替える。
教室へと向って歩く私はなぜか息苦しさを覚えた。
大丈夫・大丈夫と自分に言い聞かせる。
教室の前まで来ると扉に席の票が貼り付けられている。えーと私は窓側の前から5番目っと。荷物を置いて席に座る、なんか不思議だな、私が大勢の教室の中にいる。
授業が始まるまでの間、私は携帯のチェックをする。中学校と違い携帯を授業中以外に使えるのはうれしい。教室の中には私一人しかまだきてなくて静かな世界が広がっていた