まさか、あの児島浩美か女になってるとは…

「あら〜隼翔君、お・ひ・さ❣ ウフ」

「マジでお前、児島浩美なの…?」

「そうよ❣ 私、綺麗でしょ?」

綺麗と言えば綺麗だが…
だが…
児島だと思うと…

見慣れない姿に、聞きなれない声、あの児島だと思えば嫌悪感で鳥肌が立つ。

建築デザイナーをやってる児島に、蒼海の実家のリホームを頼みたくて訪ねてくれば、児島は変わり果てた姿になっていた。

こいつに何があったんだ…

いくら今は昔と違って、世間でもニューハーフが受け入れられているとはいえ、自分の友達が突然ニューハーフになっていれば驚きもする。

別に同性愛やニューハーフを否定するわけではない。人それぞれの理由があるだろう。だからと言って、ニューハーフになった児島を、今すぐには受け入れられない。

「悪い… やっぱ出直してくるわ…」

事務所を出ようとすれば、児島が聞きなれた自声で俺を呼び止めた。

「バーカ!出直して来ても同じだろ?まぁお前なら話してやっても良いか?」

児島は奥で話そうと言って、事務のオバサンに宜しくと言って、奥の部屋へと俺を案内してくれた。