「あっ⋯昨日の⋯!」


私の目の前に立っていたのは

見覚えのある顔の人だった。


服も違うし、髪も軽く整っていたけど⋯


間違いない。あの人は昨日会った "鷹原さん" だ。


「えっ⋯」


指をさした上、

声がでかかったせいか向こうもこちらに気づいた。





目が合う。





一瞬、 なんだ? と言うような顔をしていたけど、思い出したように目を丸くする。


「なに莉心、知り合いなの?」


「まさか⋯っ⋯⋯!知り合いというか
きのう─── 」



そう続けようと思っとき⋯


───グイッ


えっ⋯?


いきなり腕が引っ張られたかと思ったら、



「ちょっと⋯⋯用があるので来てください。」


と言って私を掴んだまま、走って行った。




「ちょっ! りこー!?」




咲の声がだんだん小さくなって聞こえてくる。





てゆーか⋯⋯






なっ⋯⋯なにこれ、どうなってんの!?