翌朝、部活の朝練の為に早めに家を出た瞬間、驚いて息を飲んだ。


丸まった目をパチパチと瞬きさせる。


私の家の門の前に、自転車にまたがったコウちゃんがいたんだ。


「おまえな、朝からなんちゅー顔してんだよ」


コウちゃんがいぶかしげに眉を寄せる。


「だ、だって、そりゃ驚くよ! どうしたの?」


私はまだ、目をパチリさせたまま。


3件隣の私たちだけど、登校する時はコウちゃんの家の方に行くから、毎日私が先に出てコウちゃんの家に向かうんだ。


今までずっとそうしてきて、一回だって違ったことはない。


それなのに、どうして急に?


私の出た時間が遅かったのかと思い、スクールバックの横ポケットに入れていたスマホで時間を確認する。


だけど、時間はいつも通り早い時間だった。