黒尾鉄朗side

「ただいまー」


気怠げな俺の声が、自宅のこじんまりとした玄関に響く。




今日も疲れた。

それはいつものことだが、今日はとりわけに、だ。




数学の、クソヅラ教師による抜き打ちテスト。


キリスト教を布教しに来たのかと思うくらいハゲてる、世界史教師の理不尽極まりない説教。


そして、全然学習しないリエーフとのブロック練。




ベッドにダイブすれば寝てしまいそうだ。




ひとつ欠伸をして、キッチンへと続くドアに目をやる。

少し足音がした後、それは開かれた。








「……おかえり」







出迎えてくれたのは、4つ下の妹。



俺の、可愛い可愛い天使である。