そして5日後。


アーハイムへと行く日へとなり、朝一番、アレイズ達にようやく話が伝えられる。



今日まで隠し通すのは大変だった。


普段通りの生活をしながら、アレイズが寝静まった後にアーハイムへ行くための準備をする。



私自身は自分の必要なものだけを確認し詰めるだけでよかったが、侍従達はアーハイムへ献上するものを始め、ドレスや宝飾品などを整理しつつ纏めなければならなかった。


いつもの仕事に加えて、夜遅くまで毎日作業を行っていたものだから、侍従達の顔はみな疲れ果てていて、申し訳ないと思うくらいだった。


加えてそんな状態の侍従達に気付かない訳がないから、アレイズは侍従達にどうしたんだ?と声を掛けたりしていて、それを誤魔化すのに大変だっただろう。


いずれにせよ色々とあったけれど、何とかこの日までアレイズ達には知られずに来れた。


正直、言ってしまったら私の結婚が無くなるかも……、と喉まで出かかったが、国の今後を考えたらそれは到底出来ることじゃなかった。




自分一人が我慢すれば、この国の平和は保たれる。


なによりも国民の笑顔が一番大事。


国民が笑顔でいられるから、私達が生きていられるのだ。