蓬條紗良の秘書さんに連れられて蓬條家の廊下を歩く。



屋敷の廊下は大理石で出来ていて、窓は大きな格子窓。




窓の外には広大な庭園と噴水、東屋が見える。




まるで、映画に出てくる貴族のような屋敷だ。




「……妻がすみません」



すると、隣を歩く秘書さんが申し訳なさそうに謝ってきた。





「いえいえ、とんでもない……。え、妻?」





「申し遅れました。私、蓬條紗良の秘書をしております、夫の達也です。蓬條だと紛らわしいので、下の名前で呼んでください」





旦那が秘書だったんかい……。