そんな僕には…

ずっと秘かに憧れてる女の子がいる。


営業先の受付のコで、挨拶を交わす程度の関係でしかないけど…
基本彼女がいた僕は、別にそのコとどうこう考えてたワケじゃなくて。

いってみれば、芸能人に憧れる感覚と似てるかな。



「こんにちは!
日野測器の山口です。
3時に石原事務長と約束してるんですが…」


「はい、伺っております。
どうぞこちらへ」

胸のネームプレートには、清松の文字。


名前はなんてゆうんだろう…
きっと見かけ通り可愛らしい名前だろうな。


憧れのそのコ、清松さんは…
清楚で可憐で、ものすごく愛らしくて。

別にそこまで美人ってワケじゃないけど…
特別な空気感を持つ、透明感溢れる女性。

そう、例えれば天使のよう。



「あ、山口さん?」


あ、天使に名前呼ばれた。

心を弾ませて、返事をすると。


「あの、コーヒーにしますか?
それとも、特製コーヒーにしますか?」


なにその金の斧銀の斧みたいな質問は!


物語じゃ、欲張っちゃダメだけど…

ここはやっぱり。