どれくらい走ったのだろうか。

闇雲に獣道を走っていたはずが、気が付くと公園の中に出てきていた。

しんと静まり返った公園を見渡すも、人のいる気配はない。

それにしても、ここは本当に公園なのだろうか。

砂場やシーソー、アスレチックのようなものがあるものの、どれもが木製で朽ち果てていた。

長い間使われていないのだろうか。

公園というより、どこかのマンションにありそうな小さな遊び場といった雰囲気だ。

ふと、切り株のようなものが列をなしているものの一つに、何かが乗っているのが見えた。

恐る恐る近付いて見ると、真新しい小さな紙切れだった。

よく風に飛ばされなかったものだ。

折り畳まれている紙を広げると、新聞の記事の切れ端がスクラップされていた。