「首無しトンネル」の近くのお寺までタクシーで来た私。

友達の家に遊びにいくということにしたいので、直接トンネルまで行かずにお寺で降りることにしていた。
実際トンネルや旅館がある場所には家がない。旅館で家族が待ってると言うよりは友達の家に行く方が自然だろう。


「ここでいいです。」


タクシーの運転手さんにそう伝えるとアッサリと下ろしてくれた。
自分の中では結構質問攻めされると思っていたのだ。
何でここで降りるの?とか、夜なのに1人で何でタクシーを使うの?とか言われると思っていた。

自分は嘘をつくのが下手くそな1面も持っていたので結構安心した。

今の時刻は8時50分...
家からここまでタクシーで約30分。
その30分が何時間にも感じていたので多少疲れを感じた。
これから恵実を助けに「首無しトンネル」の近くにある「彩澄旅館」に行かなければならないからだ。

タクシーの中で多少調べることが出来たのだが、どれも古い記事ばかり。マップを見ても「彩澄旅館」の文字はどこにもない。ただ「首無しトンネル」の近くに「彩澄旅館跡」があった。「跡」という文字に疑問を感じたがその他に該当する旅館はないので多分そこだろうという心境でいくことにした。

恵美がそこにいるのだとしたら、あの女の人がいるはずだ。