高校2年生になったばかりの春。




私の、双子のお姉ちゃんである田本 未宙(たもと みそら)は鼻歌交じりにメイクし、髪型を整えると楽しそうに家を出た。





────私が、元気で明るい未宙を見る最後の日になるなんて思わなかった。




未宙が交通事故にあった
とお父さんから聞いた時は、信じることが出来なかった。



どうせ嘘だろう。
交通事故にあっても病院で治療してもらったりすれば助かるだろうと思っていた。





未宙と私は、一卵性の双子で顔はそっくりなのに性格は全然違った。



未宙は、
私に比べると派手で、人付き合いが上手だったた。



未宙は、自分に彼氏がいる
なんて言ってきたことはなかった。



見たこともなかったけれど、
きっとあの日はデートに行っていたのだろう。





未宙が亡くなったことを実感したのは、
お通夜の時。




高校の同級生や知人が、未宙のお通夜に制服姿で来ていた。



沢山の人が泣いている...。



────嗚呼。
未宙はもうこの世にはいないんだなって。




でも、こんなに現実を素直に受け止めてしまった自分が怖い。



だけれど、現実は現実。



逃げちゃいけないんだ。





────未宙の分も、しっかり生きなきゃ。