「行くぞぉ!!やっちまぇぇ!!!」



人の喧騒が飛び交う、夜が深い時間




無数の光が、声が響き渡る





全国No.1




『皇』に勝つために




男達がぶつかり合う中、ビルの屋上から高みの見物をしている者達がいる
ビル風が吹き付け、服や髪がなびいている

銀色の髪をした者が真ん中に佇み行く末を見守っていた



「今回も、皇の勝ちだね」


「あぁ、ま、こんぐらい勝ってもらわねーとなぁ」


「……帰るよ」





『風雅』


振り返った背中のパーカーは風に揺いで見えた文字

そう背中に刻まれていた