『いらっしゃいませ。瀬高さん、服部さん！』

「紅さん！いやぁ、よかったよかった。永久とうまくいったみたいで。」

『大変お世話になりました。』

頭を下げると、瀬高さんは嬉しそうにニコニコ笑いながら、カウンター席につく。

と、もうひとり？

最後にダンディーなおじさまが、一緒に入ってきた。

私の目線に気がついた瀬高さんが、少し嫌そうに紹介してくれる。

「紅さん、私の息子だよ。」

ってことは…永久のお父さん！

『はじめまして。藤沢紅と申します。』

「どうも。瀬高陣(じん)といいます。お話しは父と息子から聞いていますが、こんなにお綺麗な方だとは。こりゃ、息子も骨抜きにされますね。」

あんまり付き合いに賛成されてない感じ？

少しトゲトゲしいような。

『いえ、私の方が日々骨抜きにされてますよ。永久さんはとても魅力的な方ですから。』