三十六歳の時に再び沖縄に仕事で行く事になり僕は喜んでその仕事を受けた。



あの彼女ともたまに連絡を取っていた。


彼女と僕は仕事が終わる頃に別れていたがそれは嫌な別れではなく自然な別れだった。


今回行く場所もまた北部の村で前の仕事の続き的な物だった。


仕事の為の宿舎に入り落ち着くと僕は彼女に連絡して食事でもしないかと言った。


彼女は土曜日なら空いてると言い久しぶりに会えるの楽しいねと答えて来た。


彼女はあの後結婚もして子供も出来ている。

僕は相変わらず独身だったがやはり五年も会ってないと変わってるかなと思った。


土曜日の夜に同僚に送って貰いまたあのバス停に着いた。


眼鏡屋は古くなっていたが同じ場所にあった。

彼女は驚く事に車で時間通りにやって来た。


降りると変わらないねと嬉しそうに笑った。


彼女も少しだけ太ったかなと思うのと茶髪だったロングの髪が黒のショートカットになっている以外は変わらなかった。


お互い懐かしさから軽くハグをすると彼女が使っていた香水の匂いがしてあの頃の僕達を思い出させた。


僕達は居酒屋に行くために車を駐車場に停めると歩いた。



僕は歩きながら彼女にバレないようにあのブルーのサングラスを掛ける。



あのサングラスはお気に入りで大事に使っていたのだ。


彼女はそれに気付くと大きな声で笑った。


お互い笑いながら肩を組んだ。


彼女は軽く頬っぺたにキスをしてきた。


「メキシコに逃げようぜ!!だね。」




夜だがあの時の青い海や眩しい太陽や彼女の車の大きなクラクションが聞こえて来そうな気がした。