「んん………」




(ほっぺたになんか…ふさふさ………

タマ?タマかな。
もう、タマったらいっつも私の布団に潜り込んでくるんだから。


あれ?それにしても、いつもお母さんの怒鳴り声で起きるけど今日は聞こえてこないな…。


…まあいっか。
ラッキー、今日はまだ眠れそう)



咲耶は再び眠りにつこうと、目を閉じたまま布団を少し上げる。


するとまた顔に触れる謎のふさふさ。




「ん〜〜…、くすぐったいよタマ〜」



咲耶は"タマ"に触れようと探るように手を伸ばす。



(あれ………。


なんかタマ、猫にしては毛が長くない?)



自分の知っている猫とは明らかに違う毛並みを不思議に思った咲耶は重たく閉じていた瞼をゆっくりと開いた。





「〜〜〜〜〜!!??」




声にならない悲鳴。


目を開くと気持ちよさそうに眠る宗次郎の顔がすぐ目の前にあったのだ。